MBAは必要ない。ロンドンビジネススクール卒業生が語るMBA 2021年度版

Peetslist・最終更新日:2021年12月20日

MBA受験を検討している皆様、こんばんは!今回はロンドンビジネススクールを2021年7月に卒業した、オーストラリア人で戦略コンサルティングファーム出身の修造さん(仮名)にお話をお伺いしました。MBAは全く必要なかった。修造さんはMBAの必要性についてきっぱりとNoと言い切っています。皆さんはどう思いますか?

まとめ:

  • 戦略のクラスでは、自分が一歩後退したように感じました。
  • 皆が同じ様なことを考えている。
  • MBAには考える人はたくさんいると思いますが、ビルダー(物を作る人)が余りにも少ない。
一平:

MBAを検討する際には、他のキャリア上の選択肢があるはずなんです。今回のインタビューでは、自分の会社を設立したり、転職したり、あるいは別の修士を取るのが良いかもしれない、そんな複数の選択肢の意思決定の中で、このインタビューがその意思決定を助けられればと思っています。

そのために、修造さんにMBA、ロンドンビジネススクールの何が良いのかを正直に話してもらって、受験生は良い点悪い点含めて総合的に情報を判断して、どちらの道に進むかを選択するような情報を提供したいと思っています。

修造:

そうですね。それはいいですね。

一平:

ありがとうございます。早速ですが、MBAでの経験はどうでしたか?

"戦略のクラスでは、自分が一歩後退したように感じました。"

修造:

まず私の経歴ですが、私はオーストラリア出身です。大学では商学と法律を学びました。その後、5年間戦略コンサルティングの仕事をしました。その上で、MBAが何かを教えてくれたかと言うと、ぶっちゃけると戦略のクラスでは、自分が一歩後退したように感じました。

確かにゲーム理論や将来の働き方を学ぶFeature of Workのような面白い授業はいくつかありましたが、授業料が高すぎます。本を読んで知的な議論をしたり、オンラインコースを受講したりして、同じくらいのものを得ることができたと思います。

一平:

修造さんは、ロンドンビジネススクールでのファイナンス、アカウンティング、ストラテジーなどのコア科目は、意味がなかった、と言っている様に理解しましたが、MBAの選択科目や課外活動などに関してはどうでしょうか?

修造:

特にマーケティングに関する選択科目では、ケースやコンセプトが授業間で重複しており、教授間の連携が取れているようには思えませんでした。繰り返しになりますが。マーケティングで学んだことの多くは、すでに知っていましたし、教授が教えていることよりも深いレベルですでに知っていました。例えば、ジョブ理論はクレイトン・M・クリステンによって提唱されましたが、私は彼の本も読みましたし、ポッドキャストも聴いていました。ケーススタディも読みました。それと比較すると、LBSで学んだマーケティングの理論はとても表層的に感じました。コア科目について更に言及すれば、企業で働いてきた実務とはほとんど無関係の内容でした。

一平:

このMBAの2年間は修造さんにとって一体何だったのでしょう?

修造:

時間ですね。他のことを考えることができました。仕事のプレッシャーもありませんでしたしね。自由に読書したり、いろいろなトピックを調べたりすることができました。いくつかのスタートアップのアイデアを検討し、遊んでみて、いつか実現できるかどうかを考え、他では出会えないような人たちに会って、会話をすることに多くの時間を費やしました。コーチを雇って、彼らと関わりを持ちました。ちなみに、これらはすべて、LBSがファシリテートしたものではありません。私が自分でやったことですが、それが価値のあることでした。

一平:

なるほど。

修造:

外から見るとね、誰もが、ああ、修造はMBAで一生懸命勉強しているに違いない、と思って、放っておかれます。でも実際のMBAでは、実際に考えたり探求したりする自由がありました。

一平:

LBSの文化についてはどう思いますか?

修造:

正直なところ、私は多くのLBSが恵まれた環境で育った人たち、特権階級の様な人たちなのではないか思っています。とても幸運な人生を歩んできた人たちで、多くのことを期待し過ぎている人たちだと思います。例えば、私のクラスで考えてみると、成績評価にに不満を持っている人などがいて、努力しなくても良い結果が得られると考えているように見えます。

"(LBS生は)皆が同じ様なことを考えている。"

修造:

また、みんな違うバックグラウンドを持っていますが、同じ様なようなことを考えている点があります。

一平:

それは良いことなのでしょうか?それとも悪いことなのでしょうか?

修造:

私にとっては悪いことだと思います。私自身も他のMBA生と同じ様なコミュニティから来ました。コンサルティングや投資銀行出身者がエリートとしてちやほやされるコミュニティです。これが同じようなことを考えている原因だと思います。今になって思うのですが、例えば、コンピュータサイエンスとか、エンジニアリングとか、数学とか、他の修士を取れば良かったと思っています。

MBA生として同じ様な考えの人に会うのではなく、より多くの価値ある出会い、より多くの手を動かす人たちとの出会いがあったと思います。

"MBAには考える人はたくさんいると思いますが、ビルダー(物を作る人)が余りにも少ない"

MBAでは、パワーポイントのスライドを作ったり、特定の方法で話したり、アイデアを持っていることに価値があるように思われがちですが、それはビジネスではとても小さな部分です。実行する力、ものを作る能力が必要なのです。MBAに来る前にそれをあまり理解していませんでした。MBAには考える人はたくさんいると思いますが、ビルダー(物を作る人)が余りにも少ないのです。私のようなバックグラウンドを持つ人にアドバイスするとしたら、MBA以外のコミュニティを探すことだと思います。

一平:

私もそう思います。 LBSでは、自分のスタートアッププロジェクトをやっていて、コードを書けるのは私だけでした。他の95%の人たちは、考える人でした。

修造:

そうなんです。一平さんは自分だけがコードを書きたいと思っていたにもかかわらず、みんながあの市場について、この戦略について考えたことがあるか?このユーザー層はどうだの、アイデア出しは手伝ってくれるかもしれないですが、手を動かしてくれないんですよね。でもそれは、ビジネススクールに通う生徒たちが気づかないことであり、彼らの自己認識が不足していると思います。ビジネスで最も簡単なことは、アイデアを持つことです。一番難しいのは、実行することです。私たちは、良いアイデアを持っていることと、実際に知識を創造することと混同しているように思います。

一平:

例えば、LBSがRCAやロンドンのMITと呼ばれているUCLやインペリアル・カレッジとパートナーシップを結んでいるような話ができればと思いますがどうでしょう?

修造:

異なる考え方をする人々を結びつけようとしている点は有効だと思います。しかし、そのパートナーシップが実行されているか、という点はよく考える必要があると思います。学校の指導者たちがこの活動を成功させようと実際にコミットしているのでしょうか?今のところ、その実行力は証明されていないと思います。というのも、LBSでジョイントコースを1、2回実施しただけで、本当にパートナーシップが持続的なものかは証明できないですよね?

一平:

なるほど、そうですね。

修造:

でも、これは良い方向への一歩だと思いますよ。

修造:

ロンドンビジネススクールには起業家のマインドセットが無いと思うんですよ。起業家精神って、とにかく泥臭く「頑張る」ということですよね?誰も与えてくれなかったものを、自分でやりたいと思うようにやるんだ。ということですよね。

でも、LBSでは、自分がLBSから受けたサービスに文句を言う生徒が多くいます。それはひどいビジネスマンだと思いますよ。それは、あなたが何かを買って、議論や交渉もせずに、ただそれを受け取ったということですよね?それはひどいビジネスマインドです。もし、彼がこのことについて文句を言わなかったら、私はその人に私のお金を任せることができるか心配です。

一平:

それは興味深い部分です。

修造:

LBS生は考え方が、ある種非常に偏っているような気がするんです。安定したものを求める人たちに偏っているようですね。良い仕事を見つけて、良い会社で安定していて、というような。他の人たちとうまくやっていけばいいし、そうすればクビになることもないでしょう。そうですね。給料が上がるのを待っているような人たちです。

一平:

そうですね。より確立された企業文化に偏っていると思います。一方、私たちはもっとバランスのとれた文化を持っていいはずです。

一平:

別の質問ですが、LBSの学生を一言で表すと何ですか?

修造:

ええと、それは...。

一平:

2語でも3語でも構いませんよ。

修造:

そうですね。私はまだ、LPSDをどのように表現するかは難しいと思っています。私は他の学校のMBA学生に会ったことがありますが、それほど違いはないと思います。だから、うーん、そうですね。私はやはり、恵まれた環境で育った人たち、特権階級の様な人たち、と表現したいです。多くのことを期待しすぎている人たちだと思います。

最近考え始めているのは、MBAの受験を検討する人たちのほとんどは、ナレッジワーカーですよね。知識とその活用方法が競争力の源泉と考えると、活用する知識の範囲や種類が違うというのは、市場での差別化につながりますよね。

皆と同じ様に考えるということは、大きなリスクがあります。あなたのネットワークにおいて、誰もが同じことを考えているのです。ナレッジワーカーとしては、これはとても恐ろしいリスクだと思います。知識労働者は色々なことを知らなければなりません。例えば、医療や軍事の分野で活躍している人は、ビジネス以外において既にネットワークと知識を持っています。ですから、彼らにとってビジネススクールは理にかなっていると思います。ビジネス界のネットワークを得ることで、彼らのネットワークで2倍になりますからね。

一平:

そうですね。

修造:

既にビジネス界で知識とネットワークを持っているのであれば、MBAに行くとコモディティ化します。誰でもDCFの使い方を知っています。なのでMBAで自分を差別化しようとは思わない方がいいですよ。

一平:

そうですね。ビジネスマンとして、自分を差別化する必要があるのは分かります。一方で、MBA生を採用する枠がある様な投資銀行を目指す、コンサルを目指すという人であれば、MBAは良いのかもしれませんね。

修造。ええ、いいと思いますよ。もしあなたが、例えばベイン&カンパニーのコンサルタントになりたいという視点を持っているのであれば。でも、もしあなたが、総合的なビジネスマンになりたいと思うのであれば、MBAは多くのことが欠けていると思います。

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