ハーバード・ビジネス・スクールMBAインタビュー(ロシア人/戦略コンサルティング業界/起業)
今回は、ハーバードビジネススクール(HBS) 2年生のロシア人のベンさん(仮称)に、ベンさんにとってのMBAとは、またハーバードビジネススクールの校風についてお話を伺いました。
ベンさんは以前シリコンバレーのスタートアップ企業で働き、その会社を売却した後、HBSで学んでいます。そして卒業後もスタートアップを起業しようとしています。スタートアップの起業を考えているベンさんにとって、HBSでMBAを取得する意味などをざっくばらんに語ってもらいました。
読了時間:3/12分文字数:1654 /6477文字目次:
- 経歴について
- Why MBA, Why HBS?
- HBSはあなたのスタートアップのキャリアにどのように役立っているか
- HBSの校風
- 夏休みの過ごし方
- スタートアップが使えるHBSのリソースについて
Peetslist一平:質問に入る前に、知らない人と話していないと思ってもらえるよう、少し自分のことを説明します。
私は昨年ロンドンビジネススクール(LBS) を卒業した後、日本のMBA受験生のためにポッドキャストやブログを作っています。というのも、留学生、特に英語を話さない留学生にとって、情報を得ることは大変なことだからです。ですので、日本や他の海外の国々のビジネススクールの認知度を上げることを心がけています。
私の目標は、ビジネススクールのコミュニティに留学生を増やすことです。 なぜMBAなのか、なぜHBSなのか、学校の校風を理解するための質問させてください。
まず、あなたの経歴を教えてください。
ベン: 私はロシア出身です。ロシアで大学を卒業しました。大学の終わりに、テクノロジーやスタートアップに関わる仕事をしたいと思うようになりました。シリコンバレーに行ってベイエリアで働きたいという夢がありましたが、ロシアの大学の卒業証書だけでは誰も雇ってくれませんでした。そこで、マッキンゼーで2年ほど働きました。そして、その履歴を持って、シリコンバレーでスタートアップの仕事を見つけることができたのです。
そして、ベイエリアに移り、スタートアップ企業で3年間働き、そして、その会社を売却しました。それまでは、MBAを取得したいとは思っていませんでしたが、その会社を売却したとき、私はちょっとしたアイデンティティの危機に陥ってしまいました。アイデンティティの危機というよりも、次に何をすればいいのか、自分の会社を起業するべきなのか、それともアメリカでネットワークを構築するべきなのか、というような感じです。
そして、勉強に時間を費やしたいと思い、ビジネススクールに出願することにしました。スタートアップをやっていたのでスタンフォード・ビジネス・スクール (GSB)だけに出願し、面接は受けたのですが、合格しませんでした。それで、ああ、やっぱり他の学校にも申し込むべきだったと思ったのです。
私にとっては、MBA取得は計画的なものではなく、アメリカのトップスクールに入れたら行く、入れなかったら20万ドルもかけたくない、という感じでした。 それは、必ずしも私のキャリアのためではなく、勉強や人との出会い、ネットワーキングのためだったからです。
それから1年後、私はGSBとHBSに再び出願しました。HBSには合格しましたが、GSBではウェイティングリストに回されてしまいました。しかし、私はGSBよりもHBSに行きたかったので、ウェイティングリストから外れるために余分なエッセイを書いたりせず、GSBへの出願を取り下げました。
そしてHBSに来ました。ですので、私にとっては、MBA取得は、計画したものではなかったのです。例えば、マッキンゼーでアナリストをしていた人がMBAを取りに行き、アソシエイトとして戻ってくるというような計画は、私にとってありませんでした。
私にとっては、MBAは楽しむこと、人に会うこと、新しいことを学ぶことが目的でした。HBSに入学する前は、ファイナンスはあまり得意ではありませんでしたが、HBSに入学してからはかなり上達したと思います。HBSでは、ファイナンスの仕組みを理解し、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を見て、何が起こっているのかを把握することに重点を置いてきました。そして、人に会ったり、ネットワークを作ったり、休憩したりしています。私は自分のスタートアップをもつことを計画していて、今はそれに取り組んでいるところです。
これが私のビジネススクールに対する考え方です。 私にとってMBAは必要なことではありませんでしたので、自分にとって最良と思われる2つのプログラムのスタンフォード大学とハーバード大学にしか出願しなかったのです。
また、私はアメリカに留まりたいと思っていたので、国際MBAには出願しませんでした。
一平: アメリカでのスタートアップをまた考えているのですか?
ベン: そうです…